ミリタリー

全部で6つ!米軍のブランチ

ブランチ(Military branch。軍種のこと。service branch やarmed serviceとも言います)は米軍の場合、6つに分かれています。

陸軍(Army/USA)

最も歴史が古く、最も人数が多いブランチ。米軍の基幹となっている場所と言えます。リザーブにナショナルガードも含まれます。


海軍(Navy/USN)

2番目に人数の多いブランチ。海での攻防を担当しますが、空軍や海兵隊の輸送に関しても大きな役割を担っています。


空軍(Air force/USAF)

人数的には3番目ですが海軍とはあまり大差なし。1947年生まれと新しめのブランチです。リザーブとしてナショナルガードも傘下にいます。


海兵隊(Marine corp/USMC)

有事の際に白兵戦を行うブランチ。もっとも武闘派と言えます。トレーニングが厳しいことでも有名。


沿岸警備隊(Coast Guard/USCG)

正式な軍ですが、国防総省の下ではなく国土安全保障省に所属しています。DoDではないものの、有事の際は海軍として防衛任務にあたることになっています。
愛称はコースティー(Coastie)。

宇宙軍(Space force/USSF)

2019年に発足したばかりで空軍が担っていた宇宙に関する部門が独立しました。独自の制服や階級はなく現在は空軍のものを使用しています。

エンリステッドとオフィサーの違い


米国の軍人にはオフィサーとエンリステッドという二つの大きなカテゴリーがあります。

どのブランチでもオフィサーは全体の2割以下しかいません。つまりほとんどがエンリステッドで構成されています。

オフィサーとエンリステッドは軍の仕事以外での交流が認められていません。休日に一緒に遊びに出かけたり、私的なコミュニケーションをとることはできません。

これは有事の際にオフィサーがエンリステッドに対し円滑に命令を下せるようにするためで、いわゆる「えこひいき」の状態があってはならないためです。

当然、オフィサーとエンリステッドの結婚や恋愛関係も認められていません。(結婚時に共にエンリステッドであり、のちにどちらかがオフィサーとなることは可能です)

エンリステッド(Enlisted)

エンリステッドとして入隊するにはすべての職種において高校卒業資格(high school diploma)が必要。日本語では「下士官」と訳されます。数年ごとに契約を更新していく必要があります。

一般的にオフィサーと比べて満20年在籍し、リタイアまでいく人が少ないと言われています。

米軍においてのpay gradeはE-1からE-9まであり、ランクは各ブランチによって違います。どのブランチでもE-1からE-3まで昇格していくのは簡単ですが、そこから上は徐々にむずかしくなっていきます。規定の年数に達しても昇格が見込めない場合は除隊になることもあります。

E-1からE-3 までをJunior Enlisted、E-4 からE-6 までをNCOs(エヌシーオーnon-commissioned officer)、E-7以上をSenior NCOs(シニアエヌシーオー)と呼びます。

ジュニアエンリステッドとNCOの私的な交際を禁止しているブランチもあります。理由はオフィサーとエンリステッドの場合と同じです。

Insignia(バッジ、記章。ランクを表すマーク)は各ブランチごとにデザインが違います。
ジュニアやNCOは、基地内のパーティーやイベントの際に参加費が安くなることが多いです。

オフィサー(Officer)

四年制大学を卒業してから入隊するオフィサー。エンリステッドの上官になります。日本語では「士官」にあたります。

米軍においてのpay gradeはO-1からO-10まであり、空軍、陸軍、海兵隊は同じランク制度を使っています。(コーストガードと海軍は違う)しかしInsigniaは全ブランチ共通で同じものを使っています。

エンリステッドと違い、契約を更新していく形態ではないですが、規定の年数に達しても昇格が見込めない場合は除隊になることもあるのはエンリステッドと同じです。

ある程度昇格していくには勤務しながら大学院に通い、修士号(master’s degree)も求められます。