コマンドスポンサーシップ

オーバーシースクリーニング

Overseas screening。OCONUSにPCSになった場合、取得が推奨されることのあるコマンドスポンサーシップ(以下CS)を受けるために必要な健康診断です。ブランチによってはFamily Member Travel Screening (FMTS) や Family Determination Inquiry (FDI)、Exceptional Family Member Program (EFMP) Screeningとも呼ばれています。 

具体的になにをするかというと、歯科検診、問診、予防接種が主な三つ。ですが人の健康状態は千差万別のため、求められる検査はそれぞれ違います。あとPCS先の国によっても内容が若干違います。

アメリカ以外でも家族の健康が維持できるかどうかをチェックする目的なので、PCS先の軍病院で治療ができない、現地の医療システムで対応できないと診断されるとパスできません。

軍病院に「CSのための健康診断」と伝えればなにをするかはわかっているはずなので受付にまずは行きます。この時、必要なペーパーワークを用意していなければならない時が多いですが、病院側で用意してくれる場合もあるようです。

・参考サイト 陸軍のEFMP公式サイト

コマンドスポンサーシップとは?



日本で米国軍人と結婚する人が多いと思うのでわりとよく聞くワードなのではないでしょうか。

コマンドスポンサーシップはCS(シーエス)と略称で書かれることも多い単語で、command sponsorship programの頭文字でCSPと書かれることも。逆にCSがない場合をNon CSP,NCPと書くこともあります。

簡単に言うとOCONUSの基地(アメリカ国外)にPCSする場合(すでにステーションしてる場合でも取れます)、AD本人だけでなく帯同する家族も一緒にケアしますよ、という制度です。よって、CONUS(アメリカ本土)には無い制度です。

Q,CSは絶対必要か?

必ずしもそうではないです。CSをとることによってもらえるベネフィットは基地、コマンドによって違います。ですが、ほとんどの場合、CSがあるからダメ、ということはないです。

またE-4より下のランク(E-1~E-3までジュニアエンリステッド)はまず家族を帯同してのアメリカ国外へのPCSが許されません。つまり、バラック(独身寮)に住むことになり、OCONUSでは基地の外(オフベース)に住むことが難しいです。逆にCSがないとそもそも家族をPCS先に帯同できない場合もあります。

Q,CSがあるともらえるベネフィットは?

・PCS時の渡航費用を家族の分までもらえる。(航空券代、タクシー代などの移動費用)

・基地内住居(ベースハウジング)に住める。ハウジングの事情によりますが、必ず住まなければならない場合も多いです。空きが出るまでホテル暮らし、ということも。

・OHAがコマンドスポンサーシップがない時(Non-command sponsorshipのこと。 NCOやNCPと書かれることもあります)よりWith Dependent(家族帯同)としてやや高くなる。

・COLAがNCOよりWith Dependantとしてやや高くなる。

・PCS時に無料で運んでもらえる家財の量が増える。

・米国市民権があれば、無料のパスポートがもらえる(No fee passport)

・子供がいる場合、DoDEAの学校に通わせることができる。ADのカテゴリーによっては学費が無料の場合もあります。

・TLAが家族分も含めた金額がもらえる。

・POV(自家用車)を持つことができる。(CSの有無とは関係ない基地もあります)

・軍の医療保険、トライケアプライムオーバーシーまたはリモートが使える。また歯科もカバーされるようになる。(CSがないとトライケアセレクトしか使えない)

Q,どこに申請するのか? 

陸軍であれば、Military Personnel Division (MPD) 、空軍はMilitary Personnel Flight (MPF)、海兵隊ではInstallation Personnel Administration Center (IPAC)で対応しているようですが、まずは上司に聞いてみてください。

Q,CSを申請するためにしないといけないことは?

オーバーシースクリーニングと呼ばれている健康診断が必須です。軍病院で受けます。ドクター(ヘッドドクターのみ可の場合も)のサインがないと申請はできません。

オーバーシースクリーニングについての詳しい説明は下のリンクからどうぞ

Q,CSは必ずもらえるものか?

家族の健康状態が理由で許可されないこともありますが、ある程度「人数枠」というものが決まっているコマンドや基地もあるようです。

公式サイトでは「基地の場所、PCS先での滞在(勤務)予定期間、家族をサポートできる機関や施設の不足、またその他の理由」をCSを申請しても却下される理由として挙げています。

CSがなくてもOCONUSにPCSできることも多くありますが、主に金銭面での補助がなくなります。飛行機代、引っ越し代、PCS先での家賃などが「with dependant(家族含む)」から「独身(single)」の金額が適用されます。

また、CSがないと米国市民権保持者であってもPCS先の国に住めるとは限りません。観光ビザの滞在になることもあり、一定期間で出国を要請されることも。

CSは一度却下されても申請はまた可能です。二度目は通ったという話もよく聞きます。