TRICARE(いつも大文字で書かれます)は軍の医療保険。主にサービスメンバーとその家族、退役軍人(リタイア)向けに作られています。軍を退役ではなく除隊した場合は、ごく一部の人(叙勲者など)を除き、対象外です。
トライケアには細かく分けて11のプランがありますが、大きく分けると2つ。プライムとセレクトがあります。CONUS在住のADの家族ならこのどちらかになります。ちなみにAD本人はプライムしか選択肢がありません。
TRICARE Primeトライケアプライム
特に何もしなければプライムになっています。
プライムの仕組み
・プライムに入ると primary care manager (PCM) という人が自分にアサインされます。主治医、担当医にあたる人です。軍病院にいる先生(軍医)になります。家族みんな同じ先生になるとは限りません。またADと同じブランチの先生とも限りません。
・まずはその担当医の所で問診や診療を行います。必要であれば処方箋を出してもらい、薬ももらえます。
・担当医では治療できない、検査できないなどの場合、専門医を紹介してもらえます。紹介状をもらいます。
・紹介先の病院にかかります。ここで支払いが発生することがありますが、あとで請求すると返還されることがほとんどです。
プライムの金額
ADは無料です。ADの家族もPoint-of-Service Option(軍病院以外にトライケアからの紹介状なしで行った時など)を使わない限りは無料です。薬代も無料。ジェネリック薬品を処方されることが多いです。
Co-pay(out of pocket fee 保険でカバーされず自分たちで支払う料金)はほとんどないです。
リタイアなどのAD、ADの家族以外はすべて有料。1年で300ドルから600ドル前後の支払いが発生します。
TRICARE Select トライケアセレクト
セレクトを選択可能な人
・ADの家族
・リタイアとその家族
・ナショナルガードとリザーブの家族
など。
セレクトの仕組み
・TRICARE-authorized provider(政府や州から公式に医療施設として認定されている病院やクリニックのこと。NetworkとNon‐Networkの二つがある)に予約を取ります。
・ほとんどの場合、トライケアからのreferrals(紹介状)は求められません。ただし一部のサービスにおいては事前にトライケアの認定が必要です。
・ミリタリーIDを持って病院に行きます。
セレクトの金額
スポンサーとなるADやリザーブのステイタスによって金額に違いがあります(現在は入隊が2018年1月1日以前かどうかが関係します)が、共通して
・年単位の保険料
Junior Enlistedは50ドル~と、NCOs、Senior NCOs、オフィサーは150ドル~です。(家族の人数によって違います)
・診察料
Networkの病院だと定額、Non networkだとトータル金額から20~25%を支払うようになっています。Urgent Care(ERや緊急にいくほどでもない時に行く病院)やエックス線などの検査代、救急車代、薬代など細かく設定されています。
トライケアのサイトから調べることができます。
プライムとセレクトどっちがいいか?
・プライムが使えないエリアがある=セレクトしか選択肢がない
・在米で所属企業の健康保険などにすでに加入済みの場合→セレクト
・Non networkの病院にかかりたい→セレクト
・軍病院以外に行きたい、特別な医療体制が必要→セレクト
プライムの方が圧倒的に安い(もしくは無料)ですが、セレクトだと受診できる医療機関の幅が広がります。軍病院の診療範囲はその病院によって様々です。出産も可能な大きい病院もあれば、小さな診療所レベルの病院もあります。基地の規模、近隣の医療体制によって変わってくるので家庭の状態によって判断します。
トライケアのプラン変更
一つ注意するのが、プライムからセレクト、セレクトからプライムへの変更はいつでもできるわけではありません。
毎年秋から冬にかけてのThe annual TRICARE Open Seasonという一定期間のみ、翌年から適用されるプラン変更ができます。この期間を逃すとまた一年ほど待たなくてはなりません。
もしくはQLEs(Qualifying Life Events)が起きた場合は変更が可能です。
例えば、
・退役または除隊した時
・結婚または離婚した時
・子供が生まれた時、養子を迎えた時
・子供が大学などへ行き、住所が違う時
・OCONUSへのPCS時
・引っ越した時(引っ越し先による。QLEと認定されない場合は変更不可)
変更の必要がなく、前年度と同じプランを継続する場合は特に何もしなくても大丈夫です。手続きは必要ありません。